ねじに関するFAQ

Q1 「ねじ」はしめつけるとなぜゆるまないのでしょうか
A 伸びたねじが縮もうとするからです 

ねじは締付けると目に見えないほんの少しだけ伸びます。その伸ばされたねじが縮もうとする力によって、ねじ山のはめあい部に摩擦力が発生し、ねじは緩まないのです。
必要以上に締付けると、ねじが縮もうとする限界を超えてねじが伸びきってしまったり、相手の表面が陥没してしまったりして、かえって緩みの原因になります。

伸ばそうとする力にどのくらい耐えられるのかを表すのが 
例 12.9 10.9 8.8 11T、7T、4T、等の強度区分です。

ねじ締めで重要なことは締結力です
「どのくらいの力で押さえつけているか?」
「ねじの限界の何%で締まっているか?」
これらを調べるのには軸力計が必要です
でも目安はトルク値を使って計算で出すことができるのです。
その式が
 T(トルク)=kFd  k:トルク係数(一般には0.2) 
 F:引っ張り荷重(kgf) d:ねじのよび径(mm)

実際に計算して見ましょう
1)M4のねじを20kgfcmのトルクで締めた場合、どのくらいの締め付けが出来ているのか
20(kgfcm)=200(kgfmm) ・・・・ミリに換算しています
200(kgfmm)=0.2×F(kgf)×4(mm)・・・・・・式に代入
F(kgf)=200(kgfmm)÷0.2÷4(mm)=250(kgf)・・移行して
250kgfの締め付け力が発生しています

M4の最小引っ張り破断荷重は約376kgfですから、250kgfは66%にあたります。
2)M8のボルトを400kgfの締結力で締めたいのだが
T(kgfmm)=0.2×400(kgf)×8(mm)=640(kgfmm)・・式に代入

640(kgfmm)=64(kgfcm)・・・・・・・・・・・・センチに換算

64(kgfcm)のトルクで締めればよい


Q2 12.9とはどんな意味でしょう
A

「12」が「120Kg以下で切れない」という強さを表し、
「.9」が「120kgX0.9=108Kg以下では伸びても元に戻る」という強さを表しています

10.9は100kgで切れずに、90kgまで元に戻る力が働く。
8.8は 80kgで切れずに、64kgまで元に戻る力が働く。
4.6は、40kgで切れずに、24kgまで元に戻る力が働く。(ただし、力の単位は1平方ミリあたりです)

Q3 ステンレス鋼製の強度区分は?
A

 A2-50,A2-70等と表示されます

A2とは
A:オーステナイト系ステンレス鋼を示します
2:化学組成の区分(グループ)を示し、50,70は強度レベルを表し、各々
500N(51.0Kgf)/平方ミリ、
700N(71.4Kgf)/平方ミリ、の引っ張り強さを示します

Q4 焼き入れ、焼きなまし、焼戻し、はどう違うのでしょうか。
A

焼き入れは鋼を730℃以上に熱して急冷します

焼きなましは鋼を730℃以上に熱してゆっくり冷やします。焼戻しは、鋼を730℃以下に熱して急冷します。(焼戻し温度が低いほど硬くなります)

Q5 タッピングねじやキャップスクリューにメッキをすると壊れると聞きましたが
A 水素脆性を起こすことがあります

タッピンねじやキャップスクリューなどの熱処理をした鋼にメッキをすると前処理の酸洗い工程や下地の亜鉛メッキ工程など酸性の溶液を使用する工程で、原子状態の水素(H)が鋼の内部に侵入し時間の経過とともに分子状態の水素(H2)になって体積が膨張し、鋼の組織に空洞ができます。現状ではメッキ処理工程での水素の侵入は避けられません。
メッキ工程中で鋼に侵入した水素の除去は、200℃前後の温度で2~4時間灼熱することによりある程度除去できます。タッピングビスなどは商品価値の点からこの処理によりほとんどメッキ品が流通しています。キャップスクリューにメッキを施す場合、基本的には強度区分10.9以下とし、必ず脱水素処理をしなければなりません。



ねじ基本技術情報

材料記号 基準山形公式及び基準寸法 ボルト穴径及び座ぐり径の寸法
表面処理記号 有効六角ボルト及びナットの寸法 メートル細目ねじ下穴表
六角穴付ボルトの寸法 メートル並目ねじ下穴表
六角穴付止めねじの寸法 単位換算